金田一耕助の事件現場


横溝正史館

 横溝正史が晩年まで書斎として使用していた成城の書斎が長男の亮一氏より山梨市に寄贈され、笛吹川フルーツ公園内に移築、「横溝正史館」として一般公開をしています。

 二間続きの八畳間の回りにぐるっと廊下があり、その裏側に書庫として使われいた板の間と70平方メートル(20坪)ほどの造りとなっています。
 昭和30年頃に建てられてそうで、豪華絢爛な造りとはいいかねますが、使い勝手の良さそうな家でした。

 玄関を入って右手の部屋には机と小さな本棚と長火鉢が置かれています、ここで執筆をしていたのでしょう。
 その隣の部屋には丸火鉢と水屋、火鉢の回りには座布団が置かれていました。ここで出版社の方が原稿が書き上がるのを待っていたのでしょうか? 
 襖の下の方に四角い穴が空いていました。何の為の穴なのか?わかりませんでした。猫を飼ってたのでしょうか? 
 書庫だった所には映画のポスターや写真、『犬神家の一族』(遺言状公開の章)『びっくり箱殺人事件』『獄門島』の生原稿、乱歩からの手紙などが展示されています。

 展示してある正史のプロフィールの誕生日が5月25日となっていました。亮一氏によると「昔から父は25日としてあり、いつも25日にお祝いしていましたので、25日にしていただいています」とのことで、間違いではなく、あえてそうされているとのことです。

(2007年4月記)